コブシ(辛夷)
モクレン科モクレン属 落葉高木

コブシ(辛夷)

Magnolia kobus


<概 要>

 山野に自生する落葉高木。日本の全土及び朝鮮の済州島に分布する。近縁種のハクモクレンに似るが、コブシは花弁状の花被片が6個(厳密に言うと内花被片が6個、外花被片が3個つくが目立たない)、ハクモクレンは9個付ける。またコブシ(辛夷)は花のすぐ下に葉がつくことで見分ける事が出来る。

 

<構造・生態> 

 葉は互生し、葉身は長さ5-15㎝、幅3-6㎝の倒卵形で全縁、先が尖る。3-4月に葉が出る前に5-10㎝の芳香のある白い花を付ける。果実は集合果で5-10㎝の袋果が集まり10月頃に果実が熟す。

 

<利用方法・雑学> 

 名前の由来は、定説がなく秋に熟した果実が握り拳に似る事から。またつぼみが咲く前の開花の様子が小さな子供の握り拳に見えた事からという説等がある。

 

 つぼみは芳香剤、花は香水の原料に利用される他に、樹の形が整っており、庭木や街路樹・建材などでも利用される。また生薬としても利用されており、コブシの漢字が「辛夷」を当てているが、これはコブシのつぼみを乾燥させた生薬名の辛夷(シンイ)からである。中国での辛夷はハクモクレンもしくはモクレンの事を指しており、本来コブシの漢字表記を辛夷とするのは誤りであるとされている。

 

 食用・飲用の利用としては花は砂糖漬けにしたり、薄く衣をつけて天ぷらにして食用される。赤く熟した果実を焼酎等に漬け込み果実酒にすると一風変わった香りの果実酒となる。

 

 アイヌとの関りも深く、かつてアイヌ人は樹皮をお茶の様に利用し飲用したとも言われる。ただし樹皮は有毒なので実際の飲用には注意が必要。別名の「オマウクシニ」や「オプケニ」はアイヌ語であり、それぞれ「良いにおいを出す木」「放屁する木」という意味を持つ。

<英 名> 

Kobushi magnolia

<別 名>

ヤマアララギ

コブシハジカミ

ヒキザクラ

ヤチザクラ

シキザクラ

オマウクシニ

オプケニ

キタコブシ

<原 産> 

日本

済州島

<花 期>

3-4月

<花 径> 

5-10㎝

<樹 高>

5-20m

<環 境>

田畑/山地

<種 別> 

自生/栽培

<花 色> 

<薬 効>

つぼみ:蓄膿症、頭痛

生薬名:シンイ(辛夷)

<花言葉>

友情

 

コブシ(辛夷)その他画像》

コブシ(辛夷)2

コブシ(辛夷) つぼみ
コブシ(辛夷)のつぼみ
つぼみが開花する様子は子供の握りこぶしのように見えると言われている。