ローズマリー(万年蝋・迷迭香)
ローズマリーの薬効性について


 「ローズマリー」は古代より薬用として使用されていました。記憶力向上、消臭効果抗菌作用、抗酸化作用と様々な効果があるローズマリーですが具体的にはどの様な利用方法があるのかを今回はまとめてみました。

《薬効》


 
・抗酸化作用がある事や消臭効果がある事よりヨーロッパでは古くから肉料理にしばしば使われている。また香辛料としてカレーポトフアイントプフ等のスパイスとして利用される。


 ・
乾燥ローズマリーを95%エタノールで抽出したもの(精油は含まれない)には、高い抗ウイルス活性、抗酸化活性が認められ、その消臭効果が商用消臭剤にしばしば応用される。精油の成分は化学種(ケモタイプ)により異なり、各成分の含有量は化学種、産地、生産年などでも異なる。カンファーを含む精油は中毒事例が多いが、ローズマリー油のカンファーの含有率は、多い時で50%を超える。


 ・
刺激作用とリラックス作用の両方を有する。


 ・
炎症抑制効果、血行改善効果があり、外用によりリューマチなどの関節炎、内用では消化不良に対
して使用されている。


 ・血行促進効果や炎症抑制作用から他の
複数のハーブと組み合わせる事により育毛にも効果が期待できる

 
記憶力改善主成分であるカルノシン酸には、神経細胞の維持に重要な役割を果たす神経成長因子の生成を高める効果があることも報告されている。軽度のアルツハイマー型痴呆症患者に対しては症状が改善する可能性がある。


 ・
ロズマリン酸には、花粉症の症状を和らげる作用があることが知られている。


 ・
カルノシン酸、カルノソールには、生体防御機構を活性化させる作用があり、解毒作用を高める。


 ・
ローズマリーは、セージとともに他のスパイスに比べて際立って強い抗酸化作用を有している

《副作用等》


 ではこれだけ有用な「ローズマリー」はたして副作用等のマイナスな側面は全くないのか調べてみました。まず
香辛料としての使用量程度であれば何の問題ない様です。しかし人に対し医療目的で大量使用した場合の薬効作用に関しては、信頼のおけるデータは無く、下記の事象の可能性が知られています

 ・月経刺激作用や子宮刺激作用。


 ・外用により光過敏症、発赤、皮膚炎を起こす恐れ。


 ・アレルギー性接触皮膚炎を起こす恐れ。


 ・妊娠中および授乳中の外用使用に関して、安全性は確認
されていない。

 ・主要成分のロズマリン酸は抗菌作用を示すが、活性酸素生成能も示すことから、
酸素、金属イオンと共存した場合に細胞毒性を示す可能性が示唆されている。

 ・経口摂取で
てんかん痙攣を起こした症例があり、てんかん発作を誘発する可能性がある。これはカンファーが原因と考えられている